「Twitterのつぶやきは遙か未来の学者にとっては非常に重要な研究資料になるんじゃなかろうか」という考えをもとにしたショートショートです。
『つぶやきの化石』
「助手くん。そろそろ解析が終わるころかね?」
「はい、博士! まもなくです!」
「うむ。はるか昔、20世紀に生まれた伝説の天才画家であるA氏。ながらく不明であった彼の人物像が明らかになるときが、ついにやってきたのじゃ!」
「その通りです! しかしこの資料を入手できたのは本当に幸運でしたね!」
「そうじゃな。その当時、人々の思考を世界に発信する『ツイッタア』と呼ばれる風習があったこと。A氏のファンが彼の思考を『ウスイホン』と呼ばれる物理書籍にまとめていたこと。そしてそれが核シェルターに保管されていたこと。数々の奇跡のたまものじゃ。」
「……いったいどんな真実が隠されているのでしょうか?」
「なんにせよ、古代美術史を塗り替える大発見であることは確実じゃろう……!」
「あ! ついに解析が完了しましたよ!」
「うむ、読み上げてくれたまえ!」
「最初の言葉は……これは?!」
「どうしたのじゃ?! はやく読み上げるのじゃ!」
「……はい! 最初の言葉は、『駆逐艦をハイエースしてダンケダンケ』です!」
「なんじゃと?!」
「『駆逐艦をハイエースしてダンケダンケ』です!」
「どういう意味じゃ?!」
「わからにゃしぃ!」