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なぜ日本のサービス業の生産性がアメリカの半分なのか

日本のサービス業の生産性 米国の半分 | NHKニュース」で指摘されている通り、日本のサービス業の「労働生産性」はアメリカのおよそ半分です。

これがなぜかと言えば「効率が半分だから」ではなく、「同じサービスに半分の料金しか支払われていないから」です。

はじめに

先日、下記ニュースが話題になっていました。

このニュースの要旨は下記の通りです。

小売りや飲食業といった日本のサービス業の「労働生産性」は、アメリカのおよそ半分の水準にとどまり、1990年代後半よりも格差がやや広がったという最新の調査結果がまとまりました。

ここでカギカッコで囲まれている「労働生産性」の意味も記事内に書かれています。

「労働生産性」は、従業員1人当たりが一定の労働時間にどのくらいのモノやサービスを生み出しているかを示す指標です。

このニュースを素直に解釈すると「日本人は無駄なサービスをし過ぎて効率が悪い!アメリカを見習わないと!」と考えてしまいますが、これは間違いです。

正しくは「サービス業で働いている人が勤勉なうえに料金が低い!もっと仕事をいい加減にして、高い料金を払ってもらわないと!」です。

※私は専門家ではなく、また理解できていない部分もあるので間違ったことを言っているかもしれません。間違いに気付いた方はご指摘いただけると助かります。

サービス業の「労働生産性」とは

そもそも「サービス業の労働生産性が高い」とはどのような状態を表しているのでしょうか?

「新しい技術を利用して効率的に働いている」わけではありません。「そのサービスに高い料金が支払われた」ことを表しています。

なぜそうかといえば、労働生産性がそういう定義だからで、なぜそういう定義なのかといえば、そう定義しないと正しく比較できないからです。

例えば宿泊業で、仮に「効率的に多くの客をさばくことが生産性である」としてしまうと、高級旅館よりもカプセルホテルの方が生産性が高くなってしまいます。 同様に飲食業でも、高級料亭よりもファストフード店の方が生産性が高くなってしまいます。

そもそも高級サービスと庶民向けサービスの生産性を比較することが無理なような気がしますけれど、無理やり比較しようとすれば「利益(付加価値額)」で比較するしかありません。

ちなみに、一般的なイメージ通り効率に比例するような生産性のことを「物的生産性」といい、利益で比較する生産性を「価値的生産性」といいます。 「価値的生産性」を用いることで、クオリティまで含めた評価ができるようになり、また異業種間での比較も可能となります。

なぜ日本のサービス業の生産性がアメリカの半分なのか

なぜ日本のサービス業の生産性がアメリカの半分なのかといえば、同一のサービスを低い料金で提供しているからです。

仮にお客様は神様文化がなくなっても、過剰サービスをやめても、新しい技術で効率化しても、料金や賃金が同じであれば「労働生産性」は微動だにしません。

「じゃあなんでサービスが低い料金で提供されているのか?」「改善するにはどうすればいいのか?」については、産業構造や労働形態や景気や失業率や移民や価値観や文化や歴史などなど様々な要因があるらしく、私もよく分かっていません。

どなたか分かりやすく解説してください。

参考資料

おわりに

「日本は生産性が低い!」→「労働生産性の意味わかってる?」的な議論は何年も前から繰り返されてますね。

そもそも「労働生産性」という言葉が紛らわしすぎる。