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なぜ人のアイデアをパクっていはいけないのか

クラウドファンディングのアイデアが中国のメーカーにパクられているという記事を元に、なぜ特許権などの法律が定められているのかについてざっくり話します。

はじめに

下記の記事を読んで「ずいぶん無法地帯だなあ…」と思ったのですが、はてブコメントなどを読んで意外と他人のアイデアをパクることについて肯定的な意見があったので驚きました。

www.fuze.dj

この記事の内容はタイトルの通りですが、記事の後半では「発案者側がパクった製造会社と契約してプロジェクトを進める」という例を挙げて、「Win-Winの関係になれる場合もある」としています。

この記事に対するはてブコメントやTwitterの反応は下記ページのような感じで、「中国すごい」や「良いアイデアだ」といった肯定的な内容が目立ちます。

え?

いや、パクったらダメに決まってるだろ?!

もちろんアイデアをパクられることで発案者が損害を被ることもありますが、それに加えて、パクリを許せば最終的に全員が不幸になるからです。

そしてそれを防ぐために知的財産権(特許権や著作権など)の法律が制定されているのです。

※この記事の内容はうろ覚えの知識によって書かれています。間違いが多々あると思います。そのうち調べて書き直すかもしれません。

なぜ人のアイデアをパクってはいけないのか

なぜ人のアイデアをパクってはいけないのでしょうか?

結論から言えば、誰でもアイデアをパクれる状況だと製品の開発費が回収できず、誰も新しい製品を開発しなくなり、技術が発展しなくなるからです。

例えば、下記のような例を考えてみましょう。

  • A社が1兆円の開発費を投じIフォンという製品を開発し、5万円で発売しました。
  • S社はこの製品を解析し同じ商品を製造しました。S社は開発費をかけていないので、この製品を1万円で発売することができました。
  • 結果A社の製品は売れず、倒産してしまいました。

こんな状態が続けば、誰もわざわざ新しい製品を発明・開発しようとは思わなくなり、国が発展しなくなります。

これを防ぐために、知的財産権の法律が制定されています。国が近代化するにはこの様な制度が不可欠であり、ほとんどの先進国・新興国で定められているはずです。

※余談ですが、短中期的に見ると儲かる方法でも長期的に見ると全員が損をするので禁止されている点が、ダンピング(不当廉売)の問題と似ていますね。

時代が変わったから?

上記は知的財産権の教科書的な話ですが、科学技術の進歩により状況が変わってきているのでしょうか?

例えば下記のような状況はこれまでなかったことかもしれません。

  • クラウドファンディングの台頭
  • 中国の「山寨(さんさい)」文化

時代の変化によって、やっぱり「パクっても問題ない」「パクったもん勝ち」「パクられるほうが悪い」というような考えは正当化されていくのでしょうか?

クラウドファンディングの台頭

クラウドファンディングと言っても、根本的な部分は他の資金調達の方法と変わらないはずです。

例えば起業家が新しいアイデアを基に事業を立ち上げようとして、投資家にビジネスプランをプレゼンする場合、そのアイデアが知的財産権で守られていなければ投資を受けることは難しいはずです。 そうでなければ競合他社にすぐに同じ事業を始められてしまい、投資が回収できなくなるからです。

なのでクラウドファンディングの場合も、プロジェクトを発表する前に各国の特許権を固めるものだと思っていたのですが、そうでもないんでしょうか? すぐアイデアをパクられて、最終的に製品が完成しなくなるかもしれないようなプロジェクトにお金を出したい人は少ないと思うのですが。

ただしクラウドファンディングは比較的少額なので、どうしても発案者側のガードが甘くなってしまったり、投資するほうも「失敗しても仕方ない」という考えがあるのかもしれません。

中国の「山寨(さんさい)」文化

「山寨(さんさい)」という言葉は今回初めて知ったので詳しいことは何も言えませんが、Wikipediaによると、中国において知的財産権などのルールを無視して製品開発を行った結果、低価格だが品質の高い製品を生み出せるようになった事を言うそうです。

それはそれですごいとも思いますが、もちろん法律違反なので問題ありありで、知的財産権紛争が増えているらしいですね。

ただし海賊版問題でも言われているとおり、これを解決するのは難しく、パクったもん勝ちを完全に防ぐのは不可能なのかもしれません。

おわりに

この記事の本筋とは関係ありませんが、デザインのトレースや文章の転載は絶対に許さないのに、製品のアイデアをパクることには寛容なんですね?

損失の額は比べ物にならないのに。